ピッチ脇で描く夢 (ジェフ千葉 1-3 FC岐阜)

 あたしはパスサッカーより、どちらかというと守って耐えて超速いFWが一瞬の隙をついて抜け出したパーフェクトカウンターとか、きれいなサイドチェンジから一発どーんとか、わかりやすくてシンプルなサッカーが好き。そう気づいたのは南アフリカのW杯、繋いで繋いでというチームよりもシンプルを具現化したようなサッカーを見て目をきらきらさせていた。

 だから、大木サッカーはあたしの理想ではまったくなかった。つまらないと思ったことはない。むしろすごい、と思ったことは何度もある。でも理想だと思ったこともない。だから、大木さんは京都でなにもできなかった監督だ、と、あたしはまだ思ってる。あんなサッカーをしてくれた想い出があるじゃないって言う人もいるだろうけど、あたしにとってのそれは理想じゃなかったから。それに実際、結果だけ見ると大木さんは京都でなにも残せずに去ってしまったから。天皇杯は準優勝。J1へ昇格することはできなかった。どれだけすごくてもその結果は結果だと割り切り切り捨てられるくらいには、現実、だったんだと思う。

 

 27日、フクアリで千葉と岐阜の試合を見ました。結果は千葉1-3岐阜、なんと風間こーやがハットトリック。前の方にいたこーやギャルとか感無量だっただろうな。

 久しぶりに見た生の福村さんはなんだか身体つきも、プレーも頼もしくなっていてドキドキしました。ゴール前でよく悪くも全く慌てなかったり空中戦が死ぬほど危なっかしかったりスローインが可愛かったりするところは全く変わっていないんだけど、随所にチームを引っ張っていこうという姿勢が見えたりして。福ちゃんがかっこいい……。実際、岐阜は若い選手も多いし、J2という舞台ではかなりの経験を積んでいる選手ではあるし、副キャプテンとかやってるみたいだし、それくらいになってもらわないと困るんだけれど、しかし感無量。これからもずっとスタメンでサッカーやってほしい。

 そして久しぶりに生で見た大木サッカー。久しぶりに生で見た「大木監督」。

 このひとの作るものは、あたしの理想とは遠い。のに、こうやってほいほい見に来て心臓潰されそうになるくらいヒヤヒヤさせられて、勝ったあとはしゃいでサングリア買って祝杯までしてさ。

 理想じゃなくても好きって言わせちゃうんだよ、あの人は。ほんとうにずるい。あの頃、すごい熱心に京都を見ていたあの頃、たとえ理想じゃなくても結果が出なくてもすごいとか楽しいとかパス回しがきれいとか言わせちゃう。ピッチ上にそういう非現実のような夢を作ってしまうんだなって思った。

 だからこそあのとき、昇格してほしかったんだな、って改めて振り返ると思う。あたしは別に好きじゃないけどすごいよね、なんて言わせたまま、夢みたいなサッカーで結果も掴み取ってほしかった。

 岐阜の順位は決して上の方ではないし、資金も限られているチームで理想を描くのはたいへんだと思う。実際大変なことになっているのも見たことある。

 だけどがんばってほしい。

 あなたの描く夢を追えるのは、やっぱりしあわせだと思うのです。