書籍があたしのキューピッド

 いつまでも「出会い」には感謝していたい、というのはたぶんずっと思っていること。

 そういえば今までの人生(……と言い張れるほど生きているのか、でも振り返れるくらいには長く生きてる)、「上司」という間柄の人間と反りが合わない、ということがなかったように思います。学校でもボスには感謝しかないくらいに助けてもらった、研究室に入りたてのときの直属の先輩は今でも足を向けて寝られない程。

 そしてそれは、いまも。思うことがなにもないわけではないけれど、今のところ直属の上司とはおそらくとてもうまくやれていて、そのうえで尊敬できるなと感じます。周囲を見渡しても、上司が尊敬できると言い切れる自分は恵まれていると思うのです。

 でも今回言いたいのは人との出会いの話じゃない。

 

 文章との出会いは、いつだって大事にしていたい。大好きな大好きな本を時折読み返す(ほんとうに、10回は読み返してる本とかがある)のも好きだけど、やっぱり、はじめて読む本もそうだし、特にはじめて手に取る作家さんとの「出会い」は大事にしていたい。それはずっと心がけていることで、だからこそ読書メーターで気になる本を探す作業はそれだけで楽しいです。

 去年は金原ひとみさんを初めて読んで、こんな文章を紡ぐことができる人がいるのかと果てしない衝撃を受けました。この話はどこかでした気もするけど、いいの、何回だって言ってやる!笑

 今年は読書冊数が激減してるけど、それでも出会いはありました。

 会社のお偉いさんとの飲み会、「本読むのが好きなんです!」と言ったらあたしの知らない作家さんをお勧めされ、知らないですと言ったら「じゃあ全巻貸すよ」。飲み会だったしな、と話半分で聞いていたら翌日のあたしのデスクの上にはこれが置かれていたわけです。

時のみぞ知る〈上〉―クリフトン年代記〈第1部〉 (新潮文庫)

時のみぞ知る〈上〉―クリフトン年代記〈第1部〉 (新潮文庫)

 

  現在5部まで、上下あるので合計10冊、ええ、読み終えましたとも!二ヶ月かかった。

 文句無しで面白かったです。あたしが今まで触れてきた本とは全く違う、文体も(翻訳だけど)物語も重厚さで勝負してくる物語でした。物語が息をするように大きく揺れ動くので、ページを捲るたびにハラハラ。ドキドキというレベルじゃない。焦る。どうしてこの一家はこんなに事件ばかり降ってくるんだ!と思うくらい、事件の連続。こういう意味の「ページを捲る手が止まらない」は初めての体験でした。

 こんなふうに自分だったら絶対手に取らない本を読むのも読書の醍醐味だと思います。だから、もっと人と本の話がしたいな。あなたが素敵と感じた物語をあたしに聴かせてほしい。そうしたら本が仲介人になって、あたしにまた出逢いを持ってきてくれる。

 

 実はまだ同じアーチャーの本を借りてるんですが、今はちょっとひとやすみ。もともと、静謐さを求めるような文体が好きで、と知り合いの方に言ったら(これも飲みの途中だったな)、その方が出した本がなんとこれだったのです。

 これもまた運命だ!

 なんてね。ずっと読みたかった本。いまのところ半分くらい、ぴったりハマりすぎて、読み終えるのが嫌だな。 

羊と鋼の森

羊と鋼の森