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君と戦う2日間

 年末にこんなことを書きました。

たぶん、こうなるずっと前からこの競技は勝者と敗者がいて、ひどく残酷だった。それは今も昔も変わらないこと。だから、どんなに責めたくなったとしてもその事実を責めるのはたぶん、おかしい。フィギュアスケートというのは残酷であるべきものであり、だからこその栄光があるわけであって、そういうところを自分は愛してきたんだと思うから。

 死ぬ程辛くても、もう無理だと逃げたくても、やっぱりあたしはこんな残酷なフィギュアスケートが好き。全日本男子、全米女子なんかはあたしはその残酷さの蚊帳の外に居た。ただ、ああ残酷なものだな、って眺めてた。でも今回は、その残酷さを真っ向から見つめる形になりました。

 15歳でここに来れた幸運、たぐいまれなる才能、団体戦での演技を加味し、金メダル本命だと言われて迎えたリプニツカヤのショートプログラム

 彼女が3Fに入ろうとした瞬間、やばいな、って思った。だって入り方がおかしかったんだもん。結果転倒になってしまったわけで、あのあとあたしはフリップ、フリップ、フリップ、って呪詛のように頭に巡って。非常に申し訳ないんだけど、そのあとのコストナーからソトニコワの演技は全く覚えてない。真央ちゃんでまた悪い意味で目が覚めてしまった訳なんだけど。

 メディアしねとか、注目しすぎなんだよとか、そういうことを言うのはすごく簡単。もちろん、15歳のあの子にどれだけ重いものがかかっていたのだろうとも思ったし、やっぱりそういうものはかけないでほしいとも思った。プレッシャーに強いと言われていたけど、だって緊張しないわけじゃないもの。ロステレコムのフリーで潰れたり、ロシア選手権のショートでミスしたり、そういう試合だって見てきた。けどね、それは宿命な訳です。活躍した者の宿命。それは彼女だってわかってるはず、だから言い訳なんていっさいしないはずだ。

 だから、そういうことじゃないんだ。金メダルを取って欲しいとも思ってた。でもそれはそのあとに彼女の幸せ、喜びがあるからで。だから、あたし、彼女に笑って欲しかった。このオリンピックを幸せな感情で埋め尽くして欲しかった。って、キスアンドクライの落ち込んだ顔を見て思ったのでした。大丈夫だから、ほんとまだ大丈夫なんだから、これでなにか終わる訳じゃないんだから、あんな顔しないで欲しかった。演技後泣いたとか、そういうことも聞いたし、そんな風になってほしくなかった。

 でもそういう競技だから、そこを責めるのなんておかしい。4年に1度、実力を出し切る事はこんなにも難しい。

 本人は10点差あってもメダルを狙いにいくそうです。

 まだ全然諦めてないじゃん、って、あたしもちょっと笑顔になれた。

 あたしも諦めないです。バンクーバーキミー・マイズナーと一緒に戦えませんでしたし、キム・ヨナからは一緒に戦う事を逃げました。

 だから今回は絶対に一緒に戦う。

 だいすきだよ、頑張ろう。