存在証明の失敗は……

 いなくなった人間のことばかり考えるのは今を生きる人間にとっていいことではないのでしょう。本多孝好「MOMENT」でも、今を生きる人間が過去に立ち止まっていては、今を生きることができなくなってしまうという旨の事を書いてあって、深く心に突き刺さった記憶があります。

 それでも、忘れられないことは忘れられないから仕方がない気もします。

 私が好きな小説「すべての愛がゆるされる島」の一節に「存在証明の失敗は不在証明にならない」という印象的な言葉があります。そして、だからつらいのだとも。

 そうなんだよね。